藝州かやぶき紀行

#青原さとし監督が広島のかやぶき職人を追っかけたロードムービー藝州かやぶき紀行に対するmixiでのレビューです

心地良い音楽を求めて民俗音楽に、美味しいものを求めて土地土地の家庭料理にたどり着く
その存在する土地には、何らかのスピリチュアルな場が必ずといって良いほど存在していたので、知らず知らずのうちに日本の精神文化の大切さを感じ始めた

そうなると、(僕の知る限りの)父たちの世代が、日本の精神文化に無頓着なことを腹立たしく思った

そして、旅の先々で、あるいは村おこしのボランティアとして山村でお年寄りにインタビュー(というか茶飲み話)を意識的にするようになった

父たちではなく、祖父たちの世代が投げてしまった(戦争のために投げざるを得なかった?)ゆえに、父の世代が無頓着になってしまったことを知った

偉そうな大儀ではなく、気持ちいい生活を求めるために、いちど捨ててしまったものを、いまのうちに拾い始めないとまずいと思う

青原監督も 同じような危機感でこの映画を撮影されているのはないでしょうか
その中で、印象的だったのが、年老いた職人が、自分の次の世代を育てなかったことを悔いていること
僕がインタビューした方々からは出てこなかった言葉だった

茅葺屋根は絶滅するのか?
茅葺職人の技術は伝承されるのか?
美山の若い職人は意外にあっさりとした理由から答えを出す

屋根だけ残せば茅葺屋根か?
これはついつい忘れがちで深くそしてもっとも大切な問いでした

この映画を見るキッカケとなった土徳という素晴らしい映画も観る機会を得ることができました