早川町

朝の挨拶と旅立ちの挨拶をかねて氏神様へ。
ここの参道の苔は本当に美しい。
苔を踏まないように参道脇を歩く。
学生さん(この研究所に寝泊まりしているのは一般的には学生なのであえて訂正をしない)、大根持ってきなさい。
と声がかかり、集落の下の方まで連れて行かれる。

薬袋(みない)集落は早川町でももっとも豊かな土地。そうはいっても傾斜地の段々畑にすらされていない(できない?)耕地と石だらけの土。最初はほんとうにびっくりした。冬は特に作物がないので荒涼とした感じ。見た目は砂利敷きの駐車場。
こんな土地でも美味しい野菜は出来るんです。早川町の畑は河川改修で出来た新しい土地以外はみなこんな感じです。

町でもっとも日照時間の長い土地の一つなので、もうすっかり春の装い。
梅が咲き誇り、色とりどりの花が点々と咲いています。
こういうときに植物先生がいてほしいもの。

10余人が寝泊まりしてさながら飯場だった交流センターも今日は僕一人。
パッキング、後かたづけ、掃除などをしているとあっという間に昼。6時に起床したのになぁ。
でも、暖かいので、このまま帰らず、取材でこぼしたいくつかのスポットに行ってみることに。

取材のたびに旧道を探しては歩き回っていたが、今回マイベスト3に入るとっても美しい道を発見。
思わず寝転がってうつらうつら。。
こんなところまで入ってきて何やってるんだ?
と僕が一人で盛り上がった挙げ句に寝転がっている態を見ておじさんが奥の畑から寄ってくる。
取材で回ってるんですとしどろもどろで余計に不審な僕。

茂倉という標高900メートルにある集落へ一気に400メートル近く上がる。ジャイロで荷物かなり積んでいるので15キロあたりから上にメーター上がらない。
集落の手前にあった鉱山の跡に。まだ坑口がひとつ残っていた。土にほとんど埋もれて道作りされていなかったら絶対に気付かない。
蕗の薹が取り放題。

集落でかって使われていた4つの水車小屋のうちの一つが残っているというので行ってみる。
集落のひとの話では日常的に下りていたという沢だが、崖に近い急斜面を標高にして100メートル一気に下りる。小川程度の流れでびっくり。沢は砂防されていて昔の面影はないが上流に取水口はないので流量は昔のままのはず。
水車小屋がなかなか見つからず、この崖を又登るのかと恨めしく見上げていたら、上流に構造物が。
かなり大きな水車小屋が残っていました。
70世帯で4つ。20世帯ごとに一つの需要があったというのはすごい。
というか、この沢へ日に何度も上り下りしていたということがすごい、

小屋から集落までの道は砂防ダム管理のための車道があるのだが、九十九折りの道のためにしんどい。十谷峠という1600メートルぐらいの峠を越える昔の交易道路に沿っているので蹄鉄を飾った馬頭観音があったりして面白い。この石像は墓なのか、仏なのか。漫画ちっくな愛すべきおっさんが描かれている。ナニワ金融道に出てきそうな顔が笑える。このおっさんが手にしてる鉈と思われるものが石像の横に置いてある。遠山の金さんよろしく片肌あらわだし。この人は何者だったんだろう。。。