散歩3


せっかく目黒来たのだから、とんきのとんかつを食べるつもりだったのだが、権之助坂下りはじめたら目黒にある事務所に通っていたときのことを思い出して通り過ぎてしまう。
田丸が空いていたのでワンタンラーメンを。
このもっちりした伸びてる一歩前の麺は好きなんだけど、チャーシューもスープもしょっぱすぎ。
自分の味覚がこの数年ではっきりと変わってきたことを実感。

その足で中目黒公園に行きアイロンを解放してやる。
すっと、たばこをくわえた男の人が寄ってきてそれ甲斐犬?って訊ねてきた。友達が甲斐犬飼ってて好きなんだよねって。そこから、彼が飼っているアラスカン・マラミュートの話が始まった。

13年飼ってきたアラスカン・マラミュートが死んでぽっかりと生活に穴が空いていたとき、マルコさんの本に出会って涙し、ちょうど一周忌の供養と言うことでマルコさんに会いに行って一緒に山梨の「犬捨て山」まで処分犬の引き取りに行った。
引き取りに連れて行かれるまでにしつこいくらい何度も意思の確認をされたという。裏切られた犬は人間といびつなコミュニケーションしか取れなくなっており、本を読んだ勢いだけで引き取っても結局飼いきれずに戻ってきてしまうことが非常に多い。
最初は6歳のマラミュートだけのつもりが、その日に引き取られてきた8歳のマラミュートが来ていて、その訴えかけるような目を振り払えず、2匹連れて帰ることになった。もともと飼い犬で捨てられてしまった犬達の何とも言えない無数の視線は忘れられない。
連れて帰った2匹も運動のために多摩川に連れて行こうとしても彼らにとって自動車に乗ると捨てられるっていう記憶があってはじめはもの凄く抵抗した。いまでも、多摩川から帰るために車に乗せると不安でしょうがないっていう仕草をするのが切ない。
友達がフレンチブル飼いたいって聞いたとき、頼むから俺の友達なら何十万も出す金で「犬捨て山」まで行ってその一匹を貰ってくれと頼んだ。
2匹連れて帰っていいかと電話したとき無言で電話を切った家族もいまは娘二人がバイト代からエサ代を出してくれるまでになっている。

という、話をしたところで、喧嘩っ早そうな口数の多い犬がやってきたためアイロンの呼び戻しで話が終わる。
僕もある意味飼いきれなかった犬を引き取ったことになる。アイロンが純血だろうとミックスだろうときっと飼っているはず。そういう意味では、アイフルのCF見て(チワフルだっけ?)チワワ飼う前にちょっと考えて欲しい。生体販売は衝動買いを生むし、売れ残りの犬が産業廃棄物として処分されている現実を知った上で。
彼曰く、チワワみたいな小さい犬を部屋飼することは大変良いこと。大型犬を狭い日本の家で飼うことが犯罪だと。
それも一理。

動物愛護支援の会

*落ちていた3月4日?6日の分を再アップ。